空き家の数を減らすこと以外にも地方の地域活性化の役割も担っている「空き家バンク」

概要をざっくりと見ると、空き家を無駄なく活用できる理想的な制度のようにも見えますが、現実問題様々な課題が残されています。

今回は、空き家バンクのメリットやデメリットについて解説していきます。

空き家バンクのメリットとは

空き家バンクの制度については「空き家バンクとは何?手続きの流れについて」で触れましたが、空き家バンクのメリットは主に4つあります。

珍しい物件が多く、賃料も安い

空き家バンクに掲載されている空き家の物件は、実際にその地域の自治体に登録された空き家だけが掲載されています。

もちろん、空き家バンクに登録されるためには、自治体の調査があり、何らかの問題がある物件は掲載されないため、情報の信頼度は高いです。

空き家バンクは自治体が運営している以上、地元の不動産屋が掲載していないような意外な物件を見つけられる可能もあります。

 

また、空き家バンクは一般的に不動産の仲介を挟まない直接契約が多く、その分賃料が安いこともメリットです。

自治体は空き家を紹介するだけなので、この点は一般的な不動産賃貸とは違いますね。

自治体によっては空き家バンクを利用することで補助金が出されるケースもあります。

 

空き家の数を減らせる

そのままの意味ですが空き家に人が住むことで、悩みの種である空き家の増加を防ぐことができます。

現在の日本では空き家の増加が問題となっている以上、空き家を有効活用できる空き家バンクは重要な打開策と言えます。

 

地域の活性化に繋がる

その地域の空き家に人が移り住むようになれば、経済活動や地域社会の交流も盛んになります。

特に、過疎地域や若手の流出が多い地方では単純に人口が増えるだけでも大きなメリットと言えるでしょう。

地域が活性化すれば税収も増えるので、自治体としても空き家バンクは推進していくだけのメリットがあると言えます。

 

空き家以外の情報も入手できる

地方の空き家の場合は、所有者が住んでいた時の評判や畑や農地の情報など生の情報も一緒に入手できることがあります。

不動産の人ではわからないような地元住民の生の情報を入手できるため、より詳しく物件を検討することができます。

 

空き家バンクのデメリット

物件情報が少なく、交渉が難しい

空き家バンクに登録している空き家全てが普通に住めるような物件ではない場合があります。

空き家バンクに登録された空き家は一定の基準を満たした物件ではあるものの、立地が極端に悪かったり、住む前にある程度の修繕が必要となる可能性があります。

 

また、物件を紹介している自治体のホームページ上では、詳しい住所や立地などの詳しい情報までは載っていないため、不動産で物件を検索するよりも得られる情報が少ないです。

そのため、実際に物件の所有者から情報を聞き出したり、交渉・契約するためにも所有者と入念なやり取りが必要となります。

特に、不動産会社を仲介しない直接契約の場合は、後々、賃料の交渉や空き家の修繕費のことで思わぬトラブルに発展する恐れがあります。

 

直接契約だとトラブルに繋がる恐れがある

空き家バンクで空き家を借りる場合、直接契約と間接契約の2つの方法があります。

直接契約の場合、不動産屋などの仲介はなく、所有者と利用者の間で直接交渉・契約のやり取りする必要があります。

不動産の仲介を挟まないため手数料はかかりませんが、貸す側・借りる側の共に自力で交渉と契約を行うことになるので、非常に手間がかかります。

 

不動産の仲介を挟む間接契約の場合、手数料はかかりますが、交渉する手間やトラブルを避けるという意味でも間接契約の方がリスクが少ないと言えます。

ただ、あまり手数料を多く取られると逆に安く借りられるメリットが小さくなってしまいます。

 

自治体ごとに取り組み度合いが違う

空き家バンクは現状、各自治体によって取り組み具合は異なり、空き家バンクに熱心な自治体もあれば、そうでない自治体もあります。

例え自分が住みたいと思う地域を見つけても、自治体が空き家バンクに取り組んでいないために、不動産賃貸に流れてしまう可能性もあります。

 

また、空き家バンクは事実上、不動産賃貸とは競争関係にあるので、借りる側としては不動産の物件を含め、選択肢は非常に多い状況です。

そのため、交渉や契約に手間のかかる空き家バンクは、不動産賃貸に比べると優位性が低く、なかなか利用者が増えないという問題も抱えています。

補助金を積極的に出している自治体であれば空き家バンクの利用率も高いですが、空き家バンクの取り組み具合が自治体ごとに異なる以上、普及にはまだまだ時間がかかると言わざるを得ません。

 

まとめ

このように実際に制度の仕組みだけ見ると、良いところばかりのようにも思えますが、実際は上記のような課題があるのも事実です。

特に、直接契約の場合はやり取りに時間がかかり、貸す側も借りる側も共に手間がかかってしまうのが難点です。

空き家バンクといっても必ずしも良いことばかりではないので、利用する際は安易に判断せず、慎重に物件を選ぶようにしましょう。