尊厳死は、その人が人間としての尊厳を保って死ぬことを指し、安楽死は、死ぬときに苦しまずに死ぬことを表しています。

人間である以上、いつかは必ず死を迎えることになりますが、必ずしも自分が望む方法で死ぬことができるとは限りません。

しかしながら、自分の希望に合った形で死を迎えることは誰もが望んでいることですよね。

今回は、この似た言葉の「尊厳死」と「安楽死」の意味や2つの違いについて解説していきます。

スポンサーリンク

尊厳死と安楽死

尊厳死とは

koureisyajisin

尊厳死というのは、人間としての尊厳を保った状態で、死ぬことを指します。

 

例えば、自分は延命治療を行わなくても良いと意思表示している人がいるとします。

その人が自分の意思の通りに、延命治療を受けずに自然に死ぬことができれば、それはその人の尊厳を守ったことになるので「尊厳死」と言えます。

逆に、尊厳死が全くない例を上げると、戦争や大量虐殺などで人が物のように扱われてしまうことは人間の尊厳がないと言えるでしょう。

 

ただ、尊厳というのは人の主観的な考えもかかわってくるので、どこからどこまでが尊厳死に当たるのか、その厳密な定義は実際のところかなり曖昧です。

一般的な定義を言ってしまえば、自分の意志で決めた死に方を実現できれば、それは全て尊厳死と捉えることもできます。

 

安楽死とは

koureisyahuuhu

安楽死の最も大きな目的は「肉体的にも、精神的にもできる限り苦痛から解放して死ぬこと」です。

尊厳死が「人間の尊厳を保って死ぬこと」に対して、安楽死は「苦痛から解放するために死ぬこと」を目的としています。

 

例えば、どのような治療を施しても助かる見込みがない人に、延命治療を続けることは本人が辛いだけでなく、それを支える家族への負担も大きいです。

不要な延命治療をなくしてあえて死を選択することで、あらゆる苦痛を取り除くことが安楽死の方法となります。

安楽死はその内容ややり方によって

  • 純粋安楽死
  • 消極的安楽死
  • 間接的安楽死
  • 積極的安楽死

の4つに分けられます。

純粋安楽死

純粋安楽死というのは、末期患者の苦痛を取り除く処置を行い生命の短縮(寿命の短縮)が起こらなかった安楽死のことを言います。

つまりは、安楽死としては苦痛を取り除きつつも、本来の寿命を生きることができる理想的な安楽死と言えます。

 

消極的安楽死

消極的安楽死とは、最期を迎えるために延命治療や薬の投与など行わずに自然に死を迎える安楽死のことを言います。

安楽死の中でも尊厳死に近い形であり、延命治療による苦痛を避けるために、延命処置を行わずに死を迎えます。

具体的には、現在投与している薬や点滴をやめたり、生命維持装置を外すことなどが該当します。

 

関節的安楽死

関節的安楽死とは、末期患者に苦痛を取り除く処置を行ったら生命の短縮(寿命の短縮)が起こってしまった安楽死のことを言います。

つまりは、苦痛を取り除くための治療を行った結果、死期が本来よりも早く来てしまった場合に該当する安楽死です。

上記の消極的安楽死と、下記の積極的安楽死の中間にあたる安楽死となります。

 

積極的安楽死

積極的安楽死とは、患者の苦痛を取り除くために、死期をあえて縮める目的で行われる安楽死の方法です。

つまりは、苦痛から解放させるため、患者を意図的に死にいたらしめる安楽死となります。

間接的安楽死と違って最初から死なせることを目的としているので、一歩間違えると殺人になりかねない医師にとってもリスクの大きい安楽死です。

 

安楽死において最も問題となるのが積極的安楽死であり、過去には積極的安楽死を取ったことで実際に医師が裁判にかけられた例もあります。

 

スポンサーリンク

どちらも日本ではまだ認められていない

nihontiz

安楽死と尊厳死は既に多くの人に認知されていますが、実際に安楽死や尊厳死を認める法律は日本ではまだ作られていません。

そのため、日本の医師からしたら、下手な安楽死や尊厳死は自分自身が殺人罪に問われてしまう可能性が少なからずあります。

ただ、実際のところは医師も本人や家族の意思決定を反映して安楽死や尊厳死を、法律がなくても認めてくれる事例も増えてきました。

 

尊厳死や安楽死については現在、世界的にも議論が行われている段階であり、オランダやベルギーといった国では既に法律で定められいます。

日本ではまだ法律がありませんが、今後何らかの進展や変化が起こる可能性は十分にあるので、最新の情報にも関心を向けておくと良いでしょう。

 

まとめ

このように、尊厳死は人の尊厳を尊重した状態で死を迎えることであり、安楽死は苦痛から逃れるために延命治療を断り、死を選ぶことです。

定義が曖昧なのでどうしても似ているところがありますが、尊厳死と安楽死は互いに切り離して考えることが難しい用語でもあります。

尊厳死や安楽死を実現するなら、生前の正常な判断ができるうちに準備をしておくことが重要ですね。

【延命治療とは?】拒否するなら何に意思表示すれば良い?

こちらも参考にして頂ければと思います。

 

スポンサーリンク