「今は元気でなんでも自分でできる、介護なんて私には縁がない。」

そう思える元気なうちはあまり心配もありませんが、思わぬケガや病気で自力ではどうにもできなくなった時、介護の問題が現実味を帯びてきます。

 

介護は誰でもいずれはやってくる、避けては通れない問題です。

今回は、そんな介護の問題についてお話したいと思います。

介護問題は実に様々

今の社会には、介護保険制度やデイサービス等の福祉も充実しているため、ぱっと見、そこまで介護のことを心配する必要はないようにも思えます。

しかし、介護といっても、寝たきりになっての介護だけが介護問題ではありません。

 

例えば、

  • 一人で食事する事ができない
  • トイレやお風呂に一人で入れない
  • 洋服が自分で脱ぎ着できない
  • 足腰が弱り一人で歩くのが不安になる

こういった日常の細かなことであっても、自力できなくなってしまったら誰かの介護が必要です。

公的なサービスを受けられるとは言っても、毎日の細かなことは、やはり誰かがそばで見守ってくれないと困ります。

 

もし介護が必要になった時、あなたの介護を買って出てくれる人は身近にいるでしょうか?

先々、自分の力だけではどうすることもできない事態に陥ってしまう可能性もゼロとは言い切れません。

 

よく耳にする「介護は実子」とは

kaigowasituheyahutton

ひと昔前までは、長男のお嫁さんが長男の両親と同居し、その介護をお嫁さんがするという事がごく一般的でした。

ところが最近「介護は実子の義務、嫁にはその義務はない」として、お嫁さんに介護を断られ困っているという話をよく聞きます。

 

「法律で決まっていることです!」などと言う方もいて、ネット上のお悩み相談サイトにはこの手の相談事が常にたくさん寄せられています。

この「介護は実子」というのは何を根拠にしているものなのでしょうか。

 

これは民法第877条にある「直系血族および兄弟姉妹は、お互いに扶養をする義務がある」という文言を介護にもあてはめて解釈したものと思われます。

介護という言葉では表現されていませんが、この趣旨は「血がつながった親子・兄弟間にはお互いに相手が生活に困ったような場合に助け合う義務がありますよ」と定めたものです。

 

この中に、介護も含まれるという考え方ですね。

お嫁さんは血族ではなく姻族ですから、「この義務を負わない」と考えられているのです。

 

実際には介護を実子だけで賄うのは難しい。公的制度の理解も必要

kaigonayamisoudan-1

近年、この介護問題も原因の一つとなって親子間での絶縁という話をよく聞きます。

 

介護以前に、お嫁さんとうまく行かなくて息子夫婦とは距離ができてしまったとか、配偶者とは関係なく、そもそもの実の親子関係が破たんしていたなどの理由で、いざ介護が必要になった時に頼れる家族がいないという問題も多いようです。

 

絶縁に至る経緯は様々でしょうし、そうなってしまったものを「介護してほしいからまた仲良くしましょう」と言っても上手くいくはずはありません。

このような場合は公的な介護制度を頼るしかありません。

 

そもそも先に書いたように、民法には扶養について書かれた項目はあるのですが実は介護について定めたものはありません。

ですから「介護は実子の義務」と親が言っても、そんな事実はないと言われてしまうでしょう。

介護される側も、されて当然という考え方ではなく、家族に介護してもらえるなら幸い・それが難しければ公的介護制度を使おうという考えでいたほうが良いように思えます。

 

公的な介護制度には、在宅サービス・公的介護施設への入所サービスなどさまざまな支援制度があります。

この制度は、誰もが保険料を負担し利用できるように整えられてきたものですから、まずは制度の利用を最大限検討してみると良いのではないでしょうか。

 

絶縁まではいかなくとも、子供たちとは遠方に住んでいるとか、息子夫婦は共働きで時間的に毎日のお世話を頼むのが難しいとか、色々な事情がありますよね。

介護をされる側が夫婦お二人で暮らしていて、お互い高齢で介護が難しいというケースも多いでしょう。

 

今は良好な家族関係も、介護で頼りすぎる事で介護者の負担が大きくなって絶縁や離婚に発展するという場合もあります。

せっかくの公的制度ですから、最大限それを利用して、それでも足りない部分をお願いできないか相談してみる、というのがうまくいく方法と思います。

 

また、介護には多額の費用がかかります。

現在の若い世代の年収は団塊の世代と比べれば低い水準であり、介護費用の負担はとても大きく、特に子育て中の家庭にとっては本当に難しいのです。

介護される側が費用負担はできるなら、その点も含めて相談しておくのが望ましいです。

 

まとめ:公的な制度を最大限に活用するべき

このように介護において、「誰かにやってもらう」という考えだけでは一部の人への負担が大きくなりすぎてしまい、家族関係が悪化する恐れがあります。

身内に介護を担ってくれる人がいない、または介護を行ってくれる人自体いない場合には、まず公的な制度を最大限に活用させることを視野に入れたいです。

 

介護においては本人の意思もできる限り反映させるのが望ましいため、健康な内に早めに介護のことについて話を進めておきましょう。

もし、何から始めたら良いか分からないという場合でも一人で抱え込まず、介護問題のプロに相談することを強くオススメします。