毎月保険料を納めるのが難しい場合に利用できる制度として、保険料の免除や猶予があります。

免除と猶予はどちらも保険料を納めなくてよくなるので、一見似ているように思えますが、この免除と猶予では、最終的に受け取れる年金額が違ってきます。

今回は、その分かりにくい国民年金の免除と猶予の違いについて簡潔に解説していきます。

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年金保険料の免除と猶予の違い

免除と猶予の違いを理解する上で重要なのは、年金額にいくら反映されるのか、その仕組みです。

年金の受け取り資格期間については免除・猶予制度利用する場合、特に気にする必要はありません。

 

先に、年金の受け取り資格期間はどういことかと言うと、その名称の通り年金を受け取るために必要になる期間のことです。

簡単に言えば、年金の保険料を納めた期間が一定以上ならば、将来年金を受け取れるという仕組みです。

現在、その期間は25年間となっています。

 

年金保険料の免除や猶予の制度を受けた場合、保険料の納付が免除、猶予となっても、その資格期間に含まれるため、資格期間については特に気にする必要はありません。

しかしながら、将来受け取れる年金額については免除と猶予とでは違いがあります。

免除の場合

単に免除といってもいくつか種類があり

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除

の4つに分類されます

免除される割合は、本人や世帯主、配偶者の前年度所得によって変わってきます。

そして年金額への反映についても、この免除の割合によって異なります。

 

免除になると保険料を納める必要はなくなりますが、その分、全額納めた人に比べると年金の受取額は減ってしまいます。

ただし、免除で払えなかった分の年金保険料を後で「追納」すれば、その差額を埋めることは可能です。

免除による年金の減額計算

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年金の減額は「(1/2)×免除の割合」でその減額される金額が分かります。

全額免除を受けて、その後一度も追納を行わなかった場合を例にすると、本来の年金受取額の半額分を受け取ることができます。

※平成21年3月分までは1/3です。

 

4分の3免除の場合には本来の年金受取額の8分の5を受け取ることができます。

※平成21年3月分までは1/2。

 

半額免除の場合には、本来の年金受取額の8分の6を受け取ることができます。

※平成21年3月分までは2/3。

 

4分の1免除の場合には、本来の年金受取金額の8分の7を受け取ることができます。

※平成21年3月分までは5/6。

いろいろと数字が細かいですが、免除額が大きくなるほど受け取れる年金額も少なくなると思っていれば良いです。

 

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猶予の場合

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猶予は免除と違ってあくまでも保険料の支払いを先延ばしにしているだけなので、猶予期間が終わったらその猶予期間分の保険料を納める必要があります。

猶予期間分の保険料を支払わなかった場合には、その猶予期間の保険料の分は全く支払われていないことになるので、受け取れる年金額が大きく減額となる恐れがあります。

 

つまりは、猶予したから年金を納める必要はないと思っていると、後になって資格期間に満たしていなかったり、年金額が少ないという事態になってしまうのです。

猶予の場合は、後で保険料を納める必要があるということを覚えておきましょう。

 

追納で納めれば満額に近くなる

免除や猶予の制度では、後で保険料を納める追納を行わなかった場合、最後に受け取れる年金額に差が生じます。

しかしながら、免除・猶予のどちらの制度を利用したとしても、後から追納という形で納められなかった保険料を全て納めることができれば、最終的に受け取れる年金額は満額とほぼ同じにまで取り戻すことができます。

 

基本的に、保険料を納めるのが3年以上遅れなれば、本来の保険料と同じ額で済みます。

例えば、「免除・猶予制度を利用しているけど経済的に余裕ができた」という場合には、早めに保険料を追納しておいた方がお得なのです。

 

ただし、追納が3年以上遅れると、その保険料の金額が増額(加算額が上乗せ)されるので、できる限り早くに追納した方が良いです。

また、追納できる保険料は過去10年以内の保険料となっています。

※具体的な加算額については「日本年金機構 保険料の追納について」を参考に

 

何も手続きを行わないと未納になる!

免除や猶予といった制度を受けることなく放置したり、猶予期間が終わっても保険料を納めなかった場合には、その期間の年金は「未納」として扱われます。

年金が未納になると年金の資格期間にも含まれないため、資格期間(25年)に満たない場合は年金を受け取れません。

また、長期にわたって未納が続くと「強制徴収」という形で、財産の差し替えを受ける可能性もあります。

 

どちらにしても年金が払えない場合には、免除や猶予、追納のいずれかの手続きは忘れずに行いましょう。

年金について心配なことや不安なことがある場合には、最寄りの年金相談センターか、ねんきんダイヤルに相談することをオススメします。

参考:日本年金機構 ねんきんダイヤル

 

まとめ

このように免除と猶予とでは資格期間に違いはありませんが、受け取れる年金額については後の追納をするかしないかで変わってくる場合があります。

免除・猶予共に後から追納した場合、最終的に受け取れる年金額は満額と同程度まで引き上げることが可能です。

 

ただし、保険料が未納の場合は年金の資格期間にも含まれず、年金額も大きく減額となります。

 

そのため、経済的に保険料が支払えないといった場合でも、そのまま放置するのではなく、免除や猶予、追納といった各種制度を利用しておいた方が圧倒的にお得なのです。

ただ、これらの制度は自分から申請しないと何もやってくれないので、免除・猶予が必要であるなら、できる限り早くに申請するようにしましょう。

以上、参考になれば幸いです。

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