近年、高齢者世帯の受給者が増加している「生活保護」の問題。

生活保護と言えば本来、経済的に困窮していて生活していけない人や、病気やケガなどで働けない人が利用する制度です。

しかし、近年では高齢者世帯の受給者が増加し、「生活保護の年金課」が起こっているのが現状です。

今回は、そんな高齢化する生活保護受給者と、現状の生活保護の問題点について書いていこうと思います。

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生活保護の本来の目的

厚生労働省によると生活保護の定義は、

「生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長すること」

引用:厚生労働省 生活保護制度

となっています。

現状の生活保護制度自体、数々の矛盾点や問題を抱えていますが、今回のテーマでは「自立を助長すること」という部分が問題となります。

 

そもそも生活保護は年金と違い、老後の生活を保障するためではなく、あくまでも最終的には「自立」を目的としている制度です。

20代~30代の若いの受給者であれば、例え一時的に生活保護になっても、新たな働き口を見つけることで生活保護から自立できる可能性は十分にあります。

 

しかし、高齢者の場合はどうでしょうか?

定年を迎えた高齢者が再び働くことは年齢的にも体力的にも相当難しく、生活保護から自立することはほぼ不可能と言えます。

現状、年金だけでは生活していけなくなった高齢者が「もう一つの年金」として生活保護を頼らざるを得ない状況になっているのです。

 

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国民年金だけで生活するのは困難

高齢者世帯の生活保護が増加している背景には、国民年金だけでは生活していけないという実態があります。

現在、日本の国民年金の平均支給額は、月額5.5万円、満額でも月額6万円前後となっています。

一般的に老後の生活を月6万円で生活していくのは難しく、最大限節約して生活することを想定しても月に10万は必要となります。

 

なぜ国民年金の支給額だけでは足りないのかというと、国民年金の制度は経済成長と人口増加を前提としているからです。

現在の年金制度は「賦課方式」という現役世代から集めた保険料を高齢者世代の年金に割り当てる方式がとられていますが、少子高齢化社会ではその財源が厳しくなります。

年金を払う財源が厳しい現状において、支給額を引き上げることは困難です。

 

また、少子化により核家族が増えた結果、老後は独り身となってしまい、家族から経済的な援助を受けられないことも関係しています。

単身の割合は高齢者世帯のうち約90%が単身世帯であることを踏まえると、単身の高齢者にとって生活保護は年金に代わって重要なセーフティ-ネットとなっているのです。

 

現状、生活保護の方が支給額が多い

単に生活保護といっても扶助の種類は8種類あり、本人の経済状況によっても実際の支給額は変わってきます。

しかし、現状は国民年金の支給額よりも生活保護の支給額の方が多くなるケースが大多数であり、年金よりも生活保護の方が多くのお金を得ることは可能です。

もちろん生活保護の受給には様々な条件や制約を受けることになりますが、それでも年金だけで生活するよりかは、生活保護を受けた方が経済的には楽になります。

 

また、車や土地といった資産を持っていない人や、経済的な援助を受けられる家族がいないという人の場合、国民年金を受けながら生活保護を同時に受給することは制度上可能です。

関連:生活保護と年金の併給はできるのか?その条件について

そのような現状を踏まえると、高齢者世帯の受給者が増えるのはごく当たり前とも言えます。

 

まとめ:現在の生活保護制度は矛盾点も多い

このように高齢者世帯の受給率が増加している背景には、国民年金の額が少ないことと、単身で経済的な援助を受けられない人が増加していることがあります。

現状、生活保護は第二の年金と化しており、高齢の受給者の場合、生活保護制度の最終目的である「自立」が全く意味を成していません。

今の生活保護制度と年金制度の仕組みは現代社会とは合わなくなっており、近い将来、抜本的な改革が必要となることは間違いないでしょう。

 

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