近年、大きな社会問題となりつつある空き家の問題。

単に空き家といっても問題なく維持管理できている空き家から、所有者が分からなかったり、相続する人がおらず放置されている空き家など様々です。

 

その中でも特に厄介なのは、所有者不明で放置されてしまった空き家です。

今回は、そのような所有者不明の空き家がどうなるのか?その後の流れについて解説していきます。

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所有者不明の空き家はどうなるのか

一般的に住宅は誰かしらの所有物ですが、所有者が亡くなったり、相続する人がいなかったりすると、所有者不明のまま空き家が残されてしまいます。

 

結論から言うと空き家の所有者がおらず、相続する人も誰もいない場合はその空き家は国のもの(国庫に帰属)となります。

これは民法に定められていることです。※民法239条2項、民法959条

 

例えば、一軒家を持っていた所有者が亡くなってしまい、他に兄弟や息子など相続する人がいない場合には、その空き家と土地は国のものになります。

また、相続人がいたとしても、その人が相続放棄した場合も同様に国に帰属となります。

 

こうしてみると所有者不明の空き家をどんどん国に帰属していけば、空き家は解決できるようにも思えますよね。

しかし、現実的に国に帰属するために立ちふさがる大きな障壁があり、そう簡単には空き家を帰属されることができません。

 

本当に所有者不明の空き家なのか判断が難しい

 

前述の例のように、所有者が誰なのかハッキリしており、なおかつ他に相続人がいないと分かっている場合には問題ありません。

しかし、その空き家が本当に誰も所有していない空き家なのか確信をもって所有者不明と言えるだけの証拠を用意することが最も難しい作業です。

 

例えば、空き家の持ち主が海外に住んでいたり、住民票に書かれた住所の場所に所有者が住んでいなかったりすると、所有者に確認を取ることが困難です。

かといって、安易に所有者不明と判断してしまえば、「勝手に売却された」後々のトラブルに発展する危険もあるので、

 

また、空き家の所有者であるけれど、その持ち主が高齢で認知症になっていたために、相続や空き家管理についての話を進められないというケースもあります。

そのように所有者不明の確証が取れない限りは、あくまでも人の所有物扱いになるので、例え自治体であっても簡単には手を出すことができないのです。

 

現に、2011年の東日本大震災の時には、空き家や土地の所有者と連絡が取れないがために、復興事業が進まないという事態も発生しました。

なお、2015年に制定された「空き家対策特別措置法」により、所有者不明で危険な空き家への対応は多少なりともスムーズに行われるようになりました。

 

ただ、依然として所有者有無の判断が難しい空き家も多く、自治体は頭を悩ませているのが現状です。

 

まとめ:空き家は最終的に国の物になる

このように所有者がいない空き家は、民法に基づいて最終的には国のものとなります。

しかし、実際に所有者不明と判断することは非常に難しく、所有者のいる可能性が少しでもある限り、そのまま放置せざるを得ない状況にあります。

 

特別措置法により一部の空き家は撤去できるようにはなりましたが、未だ問題は残されたままです。

もし空き家を所有しているのであれば、後のトラブルを避けるためにも今のうちに空き家の維持管理について考えておくことをオススメします。

 

以上、参考になれば幸いです。